大阪現代舞台芸術協会会報   

第一号

DIVE会報創刊!

 会員の皆様や関係者・関連団体の方々にDIVEの活動を知っていただくため、今後、機関紙として年四回発行していく予定です。

 皆様のご協力・ご支援のもと、よりよい紙面にしていきますのでご意見お待ちしております。

〜新執行部挨拶〜  

●会長●

  このたび、大阪現代舞台芸術協会会長に就任しました深津篤史です。今現在、関西の演劇をとりまく状況は危機的状態にあるといえます。相次ぐ劇場の閉鎖、観客数の低下、稽古場施設の問題。協会規約第二項<会の目的>にはこうあります。

 「舞台芸術の創造というものを広い視野で捉え、個々の総意と主体性を重んじ、かつ切磋琢磨に努めつつ創造環境の整備と舞台芸術の一層の社会化に寄与する。また目的達成のため総意に基づく各種事業を行う」

 今こそこの会の目的に従って行動を起こすときだと私は考えます。演劇をとりまく状況を長期的展望で捉え諸問題の解決を計るには個々人の、個々の劇団の力では限界があります。DIVEはその為の組織です。逆説的ですが、この目的達成のためには個々人の、個々の劇団の力が、思いが、熱が必要です。

 我々をとりまく諸問題はどれをとっても容易に解決できるものではありません。先行きは不安に満ちています。だからこそ、熱をもって明るく未来を語る協会にしたいと思うのです。顔の見える、体温の感じられる協会にしたいと思います。協会員の皆さん、何かと暗い話題の多い昨今ですが、力を合わせてより良い創造環境と舞台芸術の社会化を目指そうではありませんか。今が、その時です。

深津篤史(桃園会)

●副会長●

 納得の行くまで話し合うことが必要だ。事務所の移転に伴う事柄も含め、現在の執行部は月に数回定期的に集まっている。リーダーシップは大切だが、何をリードするのかが最も求められているはずだ。何のための組織か、何のための表現者の集まりなのか、もう一度本質に立ち戻って考えるべき時がきている。会員の「声」を集めたい。そのうえで、ひとつひとつの問題を丁寧に解決していくのが執行部の役割だ。劇場の閉鎖問題など、関西の演劇状況はこれまでにないほどの困難に直面している。今こそ、共に前を向いて進んでいきましょう。

  岩崎正裕(劇団●太陽族) 

●書記●

 DIVE設立から加盟していたものの、総会に出席するだけで、これまで主だった活動のお手伝いはしていませんでした。そんな時、演劇状況の変化に合わせるように、DIVEの執行部選挙を聞き、何かしなければと書記に立候補しました。

 今は事務所移転などでバタバタしていますが、まずはこの機関紙作成や会員名簿づくり等に励んでいこうと思います。

 見える仕事から手をつけ、少しでも会員のみなさんに情報が回り、DIVEとしての大きな動きがしやすいよう頑張っていきたいです。

棚瀬美幸(南船北馬一団)

●会計●

 最近、小劇場に悲しい話が続々と入ってきています。私たちの世代ではほとんど関係がないと思っていた様々な問題がいきなり目の前にあり、正直どうして良いかわかりませんでした。今までなら、誰かがどうにかしてくれると、人任せな考えが頭に浮かんでくるのですが今回は少し違いました。何ができるだろう…そんなことを考えていました。自分たちが年に一度払った協会費がどのように使

われ、何のために貯蓄されていくのかを、各協会員の皆さんに明らかにしていく事で、払えば終わりではなくどのように活用していくかを一緒に考えていきたいと思っています。今私にできることを精一杯がんばりますので、皆さんもご協力よろしくお願いいたします。

池田祐佳理(劇団Ugly duckling)

●DIVEとは●

 大阪現代舞台芸術協会は、政治結社ではない。共通の思想の元の大同団結でもない。共有する目的の実現のためにつくられたのでもない。お互いの利益を守る互助会でもない。目的も目標も特典もなく、唯一共通するのは、演劇を志す者の集まりであるということだ。

 目的も目標も無いが、それが、使命も意思も無いということではない。目的も目標もないからこそ、自由に身軽に現実や現状に対応できるのである。ならば今目の前にあるものに対して、やるべきことはやる。やらないことは絶対にやらない。ここを全員が明確にとらえるべきだ。その判断と決断、総意と方向について執行部の仕事は重い。会員の一人一人も責任は重い。それは演劇人の考え、演劇の思考と周囲から見られるからだ。演劇はどう考えるのか? 演劇の人々はどう思うのか? それを問われるのだ。

 共通する演劇の元に集まった者達である。何かをやるのなら、しっかりやらねばならぬ。やれば良いのではなく、どうやるのか? そこが大切だ。その方法の基本には、必ず演劇があるのだ。

単なる市民団体になり下がってはならない。

前会長 内藤裕敬(南河内万歳一座)

●渉外●

 渉外担当としての僕の仕事は、協会の活動内容の広報や、DIVEの名前を広く知ってもらうための宣伝活動と、DIVEの外来窓口として外部との折衝が主になります。

 名実ともにまだまだ駆け出しの僕が、執行部の一員として名を連ねさせて頂いているだけでもおこがましく思いますが、できる限り、自分の仕事を果たせるように頑張ってまいります。

 有事に備えて組織されたDIVEが、まさに有事である今、動き出しています。僕が、その原動力のひとつになることができればと思っています。

寺田夢酔(演劇集団よろずや)

 ●活動方針 〜DIVE 二〇〇二年度活動予定〜●

 ◆事務所移転。

   扇町ミュージアムスクエア閉館に伴い、新事務所を探す

   七、八月に移転を目指す

    ◆機関紙を年四回(今年度は九月・十二月・三月)発行

  創刊号は、九月の秋号を予定

  (→この創刊号の発行が十月になりました)

 ◆DIVEのホームページを立ち上げる(準備中)

 ◆八月二・三日、パフォーミングアーツメッセにブース展示とシンポジウムで参加

  ◆扇町ミュージアムスクエア閉館にあたり、新劇場獲得のため  の部会を立ち上げる

  (→大阪のど真ん中に小劇場を取り戻す会への協力)

 ◆青少年会館問題対策部会を継続して活動していく(活動中)

●活動報告●

 〜事務局〜 

 今年度の事務局長は、事務所移転などで会計関係の仕事が多いため、会計の池田祐佳理が事務局長になりました。

 〜書記局〜 

 新たに入会した水の会の奥野将彰、みかんがむの森美幸が、書記部員になりました。今後、この機関誌をはじめ、会員名簿づくりや資料管理に協力いただきます。

 〜会計局〜

 劇団●太陽族の岸部孝子、劇団Ugly

ducklingの福井愛が、会計部員になりました。帳簿つけから決算まで協力していただきます。

〜青少年会館問題対策部会〜

  青少年会館問題対策部会は、大阪の代表的稽古場である、府立青少年会館の存続を訴えていきます。

 

 〜大阪のど真ん中に小劇場を取り戻す会への協力〜

 相次ぐ劇場閉館のニュースを受けて「大阪のど真ん中に小劇場を取り戻す会」が発足されました。岩崎正裕(劇団●太陽族)、鈴江俊郎(劇団八時半)、土田英生(MONO)、内藤裕敬(南河内万歳一座)、深津篤史(桃園会)、松田正隆の六氏が呼びかけ人となってできたこの会は、その名の通り、大阪のど真ん中に小劇場を取り戻すことを目的に広く会員を募集し、活動しようとしています。

 DIVEでは総会の決定に従い、その趣旨に賛同し、事務局施設の利用提供をしています。

●各局員・部会員募集のお知らせ●

 DIVE各部では部会員を募集しています。今回の報告を受けて、今後の作業を手伝っていただける方はDIVE事務局までご連絡下さい。

●舞台芸術・芸能見本市2002

 シンポジウム「劇場の役割を考える」

 舞台芸術・芸能見本市の催しの一つとして、DIVE企画によるシンポジウムを行いました。劇場の閉鎖が相次ぐ状況下での開催だったため、百名近くの方が参加してくださり、劇場の在り方について意見を交わすことができました。

 まずOMSの閉鎖について「京都の演劇人にとっても一つの登竜門だったので、穴が開いたような気がした」(松田)、「商業演劇のために作られた劇場ではなく、人が出会い何かを発信していくネットワークの中心になっていた」(小堀)、「この町で芝居をするんだというときにOMSの風景自体が助けてくれた。愛着のある風景がなくなるのは寂しい」(坂手)と、OMSの存在の大きさを語り合うとともに、「劇場が演劇人にとってどれだけ大切なものであるか、劇場の持つ価値についてOMSのことのみに留まらず、もっと全国的に考えていかなければならない」(坂手)と、劇場と劇団と観客の関係についても意見を出し合うことになりました。

 

 「プロデューサーの役割として、表現者のメッセージを観客に伝えるという大きな役割とともに、観客が求めるものを提供する役割、劇場そのものの在り方を編集する役割があると思う」(山納)、「表現が始まる場所だからコミュニティーになる。演劇を創る人、見る人、サポートする人によって劇場は作られていくもの。OMSはそういう場所でもあったし、これからはそういう場所をつくらなければならない」(小堀)と、外部とのネットワークの必要性についての意見も出ました。

 また、助成金制度についての話題にもなりました。個人や劇団だけでなく、始まりの場である民間の劇場や稽古場にも助成金や税制優遇措置がされるべきではないかとの大きな流れになりました。

 深津会長から「あと5年もすれば、OMSを知らない世代も出てくる。劇場の存在価値を、DIVEの共通認識として何か獲得できればと思っています。その上で、新しい劇場を獲得していくための目に見えた動きができれば」とDIVEの方向性、民間と行政の対話の重要性が話されました。

 閉館する劇場がある一方、

稼働率の上がらない劇場も多くあります。「芝居の地図みたいなものがもっといるのでは。既存の情報では新しい観客を巻き込みにくい。だから劇団にもお金がなく、劇場費を高く感じてしまう」(棚瀬)と、演劇に親しんでもらえる企画や環境を作っていくことの必要性についても語られました。

 演劇界自体の活性化がこれからの劇場の未来を支え、演劇の役割と立場を獲得していくことになるのでしょう。東京、京都、そして演劇を見守ってくださるパネリストの方との話は、私たちDIVEにとって有意義なものでした。

パネリスト        小堀純(元「劇の宇宙」編集長)・坂手洋二(「燐光群」主宰)・松田正隆(京都舞台芸術協会会員)・山納洋(OMSマネージャー)・深津篤史(DIVE会長)・棚瀬美幸(DIVE書記)

司会    岩崎正裕(DIVE副会長)

●ブース報告●

 今年で三年目となったパフォーミングアーツ・メッセ。一年目は「行政機関に物申す!」でDIVEの存在と意見をぶつけ、二年目の「所属団体紹介」でDIVEの内容を紹介。

 そして三年目の今年は、劇場の激減問題を取り上げ、

セミナー『劇場の役割について考える』と連動し、ブースでは『こんな劇場が欲しい!』をテーマに各劇団からよせられた意見を展示。今後の劇場のあり方を提案しました。

 また例年通り茶屋形式で来場者にお茶を振舞い、DIVEデータブック配布、署名活動、チラシファイル閲覧コーナーなども設け、一般の方をはじめ行政機関の方々にも多く足を運んでいただき、広くアピール出来たかと思います。

 今後も、この出展でのDIVEの発言が関西小劇場の現状や問題提起、そして何よりも関西小劇場の「元気のバロメーター」の目安の一つとしても役立っていけるのではないでしょうか。

パフォーミングアーツメッセ部会長 

一明一人(高級社)

●編集後記●

 ◆秋です。お芝居のシーズンになりました。劇団にとっては忙しい季節です。表現をするには、自らの表現の場をつくることや守ることも大切だと改めて考えさせられます。何も知らないうちに、何も動かないまま、奪われていくのを見ているだけは嫌です。執行部の助けのもと、心強い編集スタッフとともに、この会報ではD

IVEの活動を伝えていきたいと思います。

(棚瀬美幸)

 ◆ご寄稿いただく方への連絡、執筆状況および〆切の確認、そして、まだ来ない原稿への催促。同じ演劇のことなのにいつも劇団でしているものとは百八十度ちがう作業に戸惑うこともしばしば。B型のボクに果たしてつとまるのだろうかと思いながらなんとか創刊にこぎつけました。とりあえずはホッとしています。さて、ボクはボクの作業に取りかからねば。

(奥野将彰)

 ◆大人の世界をぼんやり眺めながら子供のフリをしていたら、いつのまにかオトナになっていた。頭の上で何かが行われているなあとぼんやり思っていたら、なんと私にも手伝えることだった。そういう感じの編集作業でした。今号は。次号はもう少し仕事が出来たらなあという小さな野望を胸に抱きつつ、これを書いています。

(森美幸)

大阪現代舞台芸術協会(DIVE)会報 第一号       

 発行人                                深津篤史

 執筆人                                深津篤史・岩崎正裕・内藤裕敬・棚瀬美幸・

                    池田祐佳理・寺田夢酔・一明一人 

地図作製              谷口アキロウ

 編集人                                棚瀬美幸・奥野将彰・森美幸

                    二〇〇二年十月一日