大阪現代舞台芸術協会会報
第十三号
◆ D I V E 臨 時 総 会 報 告 ◆
我々、大阪の演劇人が稽古場や表現者の交流の場として愛し、クラシックルネサンス、マンスリーシアターなど様々な企画で関西の小劇場界を盛り上げてきた「大阪市立芸術創造館」が、演劇の専門ホールであるにもかかわらず、また今までの館における事業及び大阪現代演劇祭はまったく評価されることなく、指定管理者制度による公募にかけられ、新しく管理者が内定されました。ちなみにアイホールや京都芸術センターは演劇の専門ホールということで管理者は非公募で選定されています。審査員も審査会の内容も選定基準も利用者や市民にまったく開示することなく決められたのです。この事態を受け、先日、一月二十四日、DIVEの臨時総会が行われました。DIVE加盟劇団、京都舞台芸術協会の方々、現在の創造館スタッフの方々など、演劇人や演劇関係者約四十名が芸術創造館の練習室に集まりました。指定管理者制度についての説明、芸術創造館を取り巻く現状報告、現創造館スタッフからのお話、京都舞台芸術協会の鈴江氏のお話の後、意見交換をし、
一、
行政サイドに対し、審査基準、議事録などの開示を要求、及び、これまでの創造館の事業と大阪演劇祭に対しての評価を求める。
二、 審査会に対し、選考過程の透明化と説明会の開催を要求する。
三、 新しい管理内定者に対して、今後の創造館の運営に関する説明会の開催を求める。
以上三点が方針として確認されました。 演劇を支えるのは「人の力」であると思います。「人の力」がこのように軽視されて文化が創造出来るというのでしょうか? 今後も大阪市は今回のように「人の力」を評価することなく、現場の演劇人の思いに耳を傾けることなく、「机上」のみで行政を執り行うのでしょうか?大阪の演劇環境は最悪です。大阪の演劇の最大の危機であると言っても過言ではないと思います。中村賢司(空の驛舎)
● DIVE意見交換会+忘年会報告 ●
二〇〇五年十二月二十二日、心斎橋ウイングフィールドにてDIVE意見交換会が開催されました。参加希望の劇団の方々(旧劇団スカイフィッシュ・虚空旅団・France_Pan)にもお集まりいただき、DIVEの活動内容について、各部会からの説明がありました。
一、DIVEの設立経緯について(岩崎正裕)
二、DIVEの主な活動趣旨および現段階での活動内容について(深津篤史)
※ その内容の一つに下段の精華演劇祭があります。詳しくはそちらをご覧下さい。
三、会計局より活動内容報告および会費について(池田佑佳理)
※会費につきましてはp.7をご参照下さい。
四、事業部会より活動内容報告および今後の展望について(寺田夢酔)
※現段階の活動内容についてはp.6をご参照下さい。
五、書記局より活動内容報告(奥野将彰)
その後、ウイングフィールドさんのご好意でDIVE忘年会が開催されました。恒例の深津会長手作りの料理が振る舞われ、意見交換会というかしこまった場では聞けない素朴な疑問などさまざまな話が活発に行われました。その中で新しく三劇団の加入が決定(各劇団よりの言葉はp.6をご参照下さい)。今後の様々な活動についての話し合いまで発展していきました。DIVEの活動趣旨を十二分にわかっていただき、入会を決意していただいた今回の意見交換会+忘年会。これまでとは趣の異なる有意義な時間でした。
● 精華演劇祭参加劇団募集のお知らせ ●
今年度もDIVE主催による精華演劇祭を開催します。精華小劇場は大阪市、財団法人大阪都市協会、精華校園跡地活性化協議会、そして表現者、演劇関係者で構成される委員会形式で運営される主催事業館であり、大阪市でただ一つの公共演劇ホールです。開催期間は二〇〇七年の二月、三月、各々一週間の利用が可能です。主催事業館であるので、会場費、付帯設備費等が無料となります。既にご来場の方も多いと思いますが、当劇場は難波駅間近、基本客席でキャパ一五〇名程度、変形客席も可能です。本年初頭には入り口を改良し、大阪の拠点劇場を目指して着々と歩みはじめています。
近々、説明会を行います。追って連絡いたします。加盟劇団の皆様のご応募をお待ちしております。深津篤史(桃園会)
● 事 業 部 会 報 告 ●
◆ 大阪大学・講師派遣について ◆
昨年、大阪大学人間科学研究科の教育学博士、藤川信夫氏より、DIVEに対して、講師の派遣依頼がありました。こちらからお送りした資料をもとに藤川氏が講師を指名し、協会からは、深津篤史、岩崎正裕、寺田夢酔の三名が、昨年の十一月末から一月にかけて計六回、同科の教壇に立ち、今後、教育の現場や研究の道に進む院生や学生の皆さんに、講義を行いました。講義は、受講生や大学側にも好評で、二〇〇六年度よりは、正式な形でカリキュラムに盛り込むことが内定いたしました。来年度は、教育実習課程の受講生が主になるとのことです。今回の講義については論文として発表され、受講生のアンケートもDIVEの資料として今後の活動にも活かせると思います。
◆ 門真市との提携事業について ◆
門真市民ミュージカルという、門真市民で構成されている団体との提携により、門真市との共催によるワIクショップを企画しています。門真市民ミュージカル参加者を中心とした、演劇に興味のある市民に対する様々なワークショップと、門真市を中心に演劇の指導を行うサークルや学校関係者に、演出ワークショップを行い、受講生がそれぞれの立場で指導を行う事で、地域の演劇活性化に寄与することが狙いです。現在、企画書の素案作成は終了し、門真市よりの内諾も受け、今年度末には助成金の申請手続きを行います。実施は夏以降になる予定ですので、詳細が決まり次第、事業部会よりご連絡いたします。寺田夢酔(演劇集団よろずや)
● 劇場より 〜 大阪市立芸術創造館 〜 ●
DIVE臨時総会報告(p.1)にありましたように、二〇〇七年度より大阪市立芸術創造館の管理者が変更となってしまいました。それを受け、現スタッフの皆様にこの六年間を振り返っていただき、ご寄稿いただきました。
◆一月下旬のある日、LIVE STOCK? のリハIサルで大練習室にいた。
やっと実現した創造館初の演劇と音楽の融合イベントだったのだが、大
練習室も今まで見せたことのない、とても魅力的な空間をつくり出し、
得意げな顔をしているように思えた。その空間の中にいつまでも座り続
けていたいような気分だった。創造館へは、初代館長の乾さんと共にオ
Iプン前からやってきた。今も残る当時からのスタッフは、岡本さん、
餘吾さん、工藤さん。何もかも手探りで大変だったよね。あれから六年。
いろいろあったけど、いい稽古場、そして劇場に育ったと思う。そして
そこに居られたことを誇りに思っている。
(
芸術創造館館長 小林洋子
◆公共施設というと、やる気のなさそうな公務員に応対され、気分悪い
印象しかない。とりあえずはそこから正そう!なんてことが頑張り始め
です。運営方針をベースに、試行錯誤しながら利用者が望むものは何な
のか、何が一緒にできるのかなんてことを一所懸命考えていた六年だっ
たように思います。これからという時に、やっと出た芽を摘まれたよう
な、足で踏みつけられたような…何、何だったの?って感じですか。館
を育てたのは利用者であり、多くの企画に関わって下さった皆さんで…。
それさえも踏みつけるのかと、ただ腹立たしい。こんな大阪に将来はあ
るのだろうか。
岡本康子
◆ どこかに落ち着いてこの事業がしたい、と常々思う。といって落ち
着いたら何も出来ないのも分かっている。一九九九年の春、このお仕事
のお話を頂いた時、瞬間的に「行きたい」と思った。祈った。本当。前の
職場での悶々とした気持ちが吹き飛ぶ想いがあったし、幅広く仕事が出
来る環境もあった。新居に移り住むように備品一つ一つ、皆で決めた。
環境作り、仲間作り、思い入れ、なので休んだ、という記憶もない。と
言いつつ長く居すぎたのかも、という気もあるが時代も変わるのである。
いろんな理由があるにしろ、また悶々とした気持ちでどこかに行くので
あろう、と想う。そんな事の繰り返しなのだ。だから形骸化しないネッ
トワークが残るのだ。
餘吾康雄
◆春待てば
揺れる心も
おさまろう
負けるもんかの
芝居魂
工藤俊作
芸術創造館年譜(抜粋)
二〇〇〇年
一月 創造館演劇講座開催(十企画)
大練習室お披露目イベント(六団体)
三月 CAMPUS CUP2000(六団体)
十二月 第一回クラシックルネッサンス(四団体)
CAMPUS CUPサポート企画(二団体)
二〇〇一年
二月 CAMPUS CUP2001(六団体)
十二月 第二回クラシックルネッサンス(三団体)
キャンパスカップリターンズ開始(六団体)
二〇〇二年
四月 二〇〇二年度マンスリーシアター開始(九団体)
五月 一人芝居シリーズ・独"solo"開始(三団体)
リーディングドラマ「永遠の愛を誓って」(巡回事業として滋賀・
奈良でも上演)
十二月 第三回クラシックルネッサンス(三団体)
二〇〇三年
四月 二〇〇三年マンスリーシアター開始(十団体)
五月 一人芝居シリーズ・独"solo"(三団体)
二人芝居『背くらべ』(巡回事業として二〇〇四年に東京国際芸術
祭リージョナルシアター・シリーズに、二〇〇五年に第十三回北
九州演劇祭に参加)
十月 ステップシアター開始(五団体)
十二月 第四回クラシックルネッサンス(四団体)
二〇〇四年
一月 演出ワークショップと試演会
三月 女性劇作家シリーズ『四話の女偏』
四月 二〇〇四年マンスリーシアター開始(五団体)
五月 一人芝居シリーズ・独"solo"(三団体)
七月 三人芝居『キャラメルと弾丸、凪のこと』
十月 劇場シリーズ 劇場あてがき企画
第二回ステップシアター開始(五団体)
十二月 第五回クラシックルネッサンス(四団体)
二〇〇五年
五月 二〇〇五年マンスリーシアター開始(七団体)
九月 第三回ステップシアター開始(五団体)
二〇〇六年
二月 第六回クラシックルネッサンス開始(三団体)
三月 大阪現代演劇祭ファイナルイベント大感謝祭
● 会 員 の 言 葉 ●
◆ France_panは,二〇〇四年に大阪外大の学生を中心に結成された
劇団です。主宰・伊藤拓の脚本・演出を中心に作品を作り,美術家や映
像,ミュージシャンとのコラボレーションも意欲的に行ってきました。
また,公演を商業ベースとして成立させることも目標の一つとしており,
旗揚げ二年目で行ったプレロングランを始め,宣伝方法/公演形態につ
いても挑戦的に取り組んでいます。
DIVEへは,交流の少なかった上の世代の方々から学ぶ機会を作り
たいと思い参加しました。これまでの劇団と観客だけの関係の留まらず,
行政や演劇界全体についての知識の会得やアプローチを通じて広い視野
で活動できればと考えております。
間屋口 克(France_pan)
◆ はじめまして、太陽族の岩崎さんからの紹介でDIVEに参加させ
ていただくことになった旧劇団スカイフィッシュと言います。よろしく
お願いします。岩崎さんには近大で演出作品に出させていただいたり、
戯曲講座でもお世話になりました。余談なのですが今度八月に公演を行
う予定です、僕らしか作れない方法論でかなり面白いものを作っている
のでよければ観に来て下さい。
大江崇允(旧劇団スカイフィッシュ)
◆ "逆境VAND"という劇団を旗揚げして十二年経ち、劇団名を"虚
空旅団"と変えました。
"コクウ"は"空虚"という意味もありますが、もう一つ、春の雨を
指す「穀雨」という言葉も意識しています。移り変わるむなしさと同時
に生命を育てる慈みも持ちたいと願ったからです。そうやってサスラウ
人になろうと思ってこの名前を付けました。
劇団の運営や作品についても同様ですが、心機一転、今まで課題にし
ていたことについて取り組み、実践してゆこうと考え、この度DIVE
に参加させて頂くことにしました。
今までお世話になった大阪の小劇場で、少しでも何か協力できるよう
に頑張りたいと思います。
高橋恵(虚空旅団)
大阪現代舞台芸術協会会報第十三号 2006年2月15日発行
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